春の遠足🚌~中3《TSUNAGU》

更新日:2025年04月23日

 (この記事は、TSUNAGUの生徒が作成しました。)

 4月17日(木)、中3は春の遠足で西島園芸団地と高知県立牧野植物園へ行ってきました。

 まずはバスでの移動です。片道2時間ほどバスに揺られて高知県へ向かいました。

 
 西島園芸団地に到着して集合写真を撮ったクラスから”いちご狩り🍓”を開始しました。


 皆、熟した苺に言葉を忘れて夢中になっていました。

 いちご狩りを終えた後も、売店のアイスや温室の植物を楽しんでいました。

 次に向かったのは牧野植物園です。階段広場で昼食をとったのち、植物や展示を鑑賞しました。


 牧野植物園とは、偉大な植物学者である牧野富太郎氏を偲んで設立された植物園で、世界中の自然環境に自生する種から、華やかな園芸品種まで様々なものが楽しめます。僅かな時間ではありましたが、限界まで観察したので、特に印象的だったものを紹介していきます。

 始めに皆さんに見ていただくのは、「ナベワリ」達です。

 ナベワリとは、ビャクブ科ナベワリ属に属する単子葉植物のことで、名前を聞くと「破損した鍋に関係があるのだろうか…」と想像してしまいますが、そうではありません。葉に毒が含まれており、舐めると舌が割れるほど痛くなるという伝承から「舐め割り」→「ナベワリ」という名前になったそうです。

 牧野植物園には、普通のナベワリのほかにシコクナベワリとヒメナベワリがありました。

▽ナベワリ


▽シコクナベワリ
 花弁が同型同大 高知県西部に分布が偏っている


 次はギンリョウソウです。

 4〜5月に、湿った環境にある木の周辺土壌をみると、ギンリョウソウの半透明の筒状の花が見られることがあります。地上に現れる植物体はこの花だけで、普段は地中で地下茎と根だけで生きています。つまり光合成は一切行いません。

 では、どのようにして養分を獲得し生きているのかというと、菌根という特定の菌が植物の根に入り込んだ構造を形成し、その菌類から有機物を得ています。つまり菌類に寄生しているのですね。

 他のものに寄生し、養分を分けてもらっている癖に、更に春には立派な花も咲かせると聞くと、どこか不道徳的な印象を抱きますが、自然界ではこういった「他に依存している」また「互いに依存している」という関係を持った生物は少なくありません。これもれっきとした一つの生き方なのです。

▽ギンリョウソウ
 茎にまとわりついているのは花弁でなく退化した葉 柱頭は紺色


 3つ目は「オキナグサ」です。

 50周年記念庭園や展示館の入口に、このような草本が見られます。


 もう名前の由来が分かった方もいるかもしれません。

 1枚目は花を映したもので、落ち着いた赤紫色の、存在感のある花が美しいですね。2枚目は、花が終わり無数の種子がついた状態です。種には長く白い糸がついており、それが花火のように広がっています。これをおじいさんの髭や白髪に見立てて「オキナグサ」と名付けられたと考えられます。


 最後に紹介するのはヒトリシズカです。

 センリョウ科で、多年草ですが、地上に姿を表すのは春から夏にかけての一時期だけです。

 これは落葉樹林に適した草本の性質で、まず木々が落葉しきった早春に地上に葉を伸ばし、林床に十分に届く日光で光合成をし、養分を溜め込みます。そして夏になり木々の葉が生い茂って、林床が暗くなると、葉や茎は枯れて地中へ撤退していきます。

 このような植物達は「スプリング・エフェメラル」と呼ばれ、春に花をつけたあとすぐに枯れてしまうという儚さから人々に愛されています。

 ▽ヒトリシズカ(まだ蕾)


▽キビヒトリシズカ(近縁種)

 
 自然に触れながら、楽しい時間を過ごすことができました。

(文・写真:中3TSUNAGU)