バイオマス資源化センターみとよ見学《TSUNAGU》

更新日:2024年09月27日

(このページはTSUNAGUの生徒が作成しました。)

8月15日(木)の午前中に、夏休み工場見学ツアー第二弾として希望者で三豊市山本町神田にある、「バイオマス資源化センターみとよ」に行ってきました。

工場の中の様子⤵

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まず、工場の設備の説明や日本や世界のごみ処理の仕方について、説明を受けました。

特に印象に残ったのは、日本の江戸時代と現代のごみ処理の仕方の変化の原因です。江戸時代の日本の社会では、壊れた傘は張り替えて、灰は回収して肥料にして…とものを使えるところまで使い切る、再利用がとても進んでいました。それに対し、今はどんどん焼却するのがごみ処理の中心です。世界の焼却炉のおよそ7割が日本にあるとも言われています。こうなったのは、明治時代になって伝染病が流行ったときに、患者の方が使ったものを再利用しようとして、感染が拡大していくことを止めるために、法律でごみを焼却処分することを定めたことが理由だそうです。

説明があった後、実際に工場の中に入って見学しました。
ここからは、工場内の写真とともに工場のしくみについて紹介していこうと思います。

〜工場の仕組み〜
①ごみが運ばれてくる

搬入口から入る前に、ごみ収集車ごとごみの重さを量ります。ごみをおろした後に、もう一度重さを量って、最初との差でごみの重さが分かるようになっています。搬入口は二重扉になっていて、外に臭気が漏れないようになっています。

②ごみを破砕機に入れて細かくし、発酵をすすめる微生物と混ぜる

③ ②をコンクリート製のバイオトンネルに入れて、17日間発酵させる

この扉の先がトンネルです⤴

発酵によって、微生物が出した熱で生ごみなどの水分が蒸発して、乾燥します。ヒーターなどを使わなくても、熱が発生するところがポイントです。

⑤取り出して、発酵しきれなかったものを取り除いて、再利用するために種類別に取り出す。

⑥ ⑤で取り出した、紙やプラスチックをブロック状に圧縮する

このときには臭いも、ほとんどなくなっていました。

⑦固形燃料を作る会社で⑥のブロックから、石炭の代わりとなる固形燃料(下の写真⤵)を作る

 この固形燃料は製紙工場などで使われています。

⑦センター内で発生した臭気を脱臭する

 下から臭いを含んだ空気を送って、木製チップの分厚い層の中を通過させることによって、チップの中にいる微生物が臭気を分解して脱臭します。この仕組みをバイオフィルターといいます。水をかけているのは、表面が乾燥すると微生物が死んでしまうからだそうです。実はここで使われている水や木製チップにも工夫があります。

水は下まで流れ出たものをポンプで汲み上げて再利用していて、この木製チップは間伐で出た木材を使用しています。さらに、長い間使うので腐りにくい針葉樹の杉のチップとなっています。

バイオフィルターからは木のいい匂いがしました。細かいところまでこだわって作られていることに驚きました。

センター内で作業しているのは、たったの4人!

焼却炉があるごみ処理施設は24時間稼働しなければならないのに対し、その日に運ばれてきたゴミは、その日のうちに処理をして、17時頃までで作業が終わるそうです。

処理システムも簡単な作りをしているので、機械に不具合が出ても、すぐに直すことができてゴミの受け入れを止めることがないようになっています。

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今回、「バイオマス資源化センターみとよ」に行ったことで、ゴミを燃やさずに処理するという新たな選択肢にふれることができました。

今後、「えころとんぐ。」などの清掃活動をするときには、目の前のゴミのことだけでなく、拾ったゴミの行く先にも思いを馳せてみたいと思います。

(文:高1TSUNAGU)