学校案内
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(この記事は、TUNAGUの生徒が作成しました。)
台風、試験、文化祭など、二学期の頭から慌しい日々を過ごしたと思います。
そんな時こそ、植物を見て一度心を落ち着かせてみてはいかがでしょうか。
夏や秋の道端を歩いていると、華やかなピンク色や白色の花がいっぱい咲いた、幹がすべすべしていて葉の丸い木を見かけることがよくありますよね。
これは「サルスベリ」といい、見て分かる通りの「猿でも滑り落ちてしまうほどの滑らかな幹」から命名されました。
▽サルスベリ
花のつくりは、薄いフリルのような花弁が6枚、30本前後の短い雄しべと特に長い雄しべが6本、雌しべが一本となっています。短い雄しべで作られる花粉は花粉を食料とする虫を誘き寄せるためのもので、受粉用の花粉は6本の長い雄しべで作られています。
熟した実はくす玉のように割れて種子を散布します。種子には翼がついており、くるくると回りながら落下するので空中の滞在時間が長く、より遠くに飛ばすことが出来るようになっています。
また、夏から秋にかけて長い期間花を咲かせるため、別名「百日紅(ヒャクジツコウ)」とも呼ばれており、その美しさや丈夫さのためにしばしば街路や公園、庭に植えられているのです。
ちなみに似た名前の植物として「千日紅(センニチコウ)」という一年草がありますが、そちらは花が乾燥しても鮮やかな色のままであることが名前の由来だそうです。
▽センニチコウ
植物にしろ、動物にしろ、名前の付け方ひとつを取っても様々です。
正門近くにある「卒業生の杜」にも多様な植物が植えられています。
その中の一つである「アオキ」を見ていきましょう。
艶々とした常緑が美しいアオキは、東南アジアの各地に生息しており、日本でも北海道南部から沖縄県まで広く分布しています。
古くから人々に親しまれ、様々な品種が開発されており、大手前丸亀に植栽されているのはそのうちの一つの「斑入りアオキ」のようです。
半日陰に植えられる代表的な植物で、茎にも葉緑体を発達させてわずかな太陽光も逃がしにくくするなど、建物の間や北側の影になる条件の悪いところでもよく育つ非常に丈夫な性質を持っています。
だから塀の近くや大きな木の下に植えられているんですね。
ちなみにこの種は雌雄異株で、初冬には雌株のみに赤い実が結実します。つまり雄株は実を結びません。結実することを重視する植木職人の間では、このような実がならない雄株のことを「バカ」と呼ぶそうです。面白いですが、少しかわいそうな気もします。
植物の芸術的な形状や、豊かな緑(緑ではないものもありますが…)はいつでも人の心と目、また聴覚や嗅覚、時には食べて全身を癒やしてくれます。だから人々は植物を極限まで華やかに、身近にしようと大昔の時代から品種改良や外国からの輸入を続けてきました。その結果、文化の目まぐるしい発展や戦争など、数え切れない程の歴史が生まれたのです。人の「植物」というものへの愛情は、このような歴史や名付けなど、様々なものから読み取ることが出来ます。
(文・写真:中2TSUNAGU)