【理科部🧪】校内の植物《TSUNAGU》

更新日:2024年05月01日

(この記事は理科部員でありTUNAGUメンバーである生徒が作成しました。)

 若草の萌え出す時期となりました。少し暑く思える時もありますが、お元気にお過ごしでしょうか。
 今年は暖冬や3月の低温などのため、春の花の開花時期が例年より遅れ、雨と重ならず長い間満開のものを見る事ができました。
 私たち理科部ではそんな季節の花など、様々な植物を定期的に観察しています。
 もう花が散ってしまったものもありますが、大手前の庭にもあふれる春を、一部紹介したいと思います。
 
 まずお見せするのは、何といっても桜でしょう。
 大手前には「ソメイヨシノ」と「シダレザクラ」の2種の桜が植えられています。
 ソメイヨシノは江戸時代末期に「オオシマザクラ」と「エドヒガン」という2種類の桜を交配したことで生まれたと言われています。
 「自家不和合性」という性質を持っており、ソメイヨシノ同士の自然交配によって子孫を残すことができないため、人間の手によって殖やされてきました。

▽ソメイヨシノ

 次はシダレザクラです。
 シダレザクラは、先程も出てきた日本に10種ほどあると言われている野生のサクラの一種であるエドヒガンが変異して枝が「しだれる」ようになったサクラです。
 基本はひとつにつき花弁5枚の「一重咲き」ですが、植栽されているのはより花弁が多く豪華な「八重咲き」のものが多いようです。
 撮影した日が雨で、その時は残念に思ったのですが、花弁がちらちらと水滴をまとっていてこれはこれで美しいですね。

▽シダレザクラ

 そしてリキュウバイです。
 名前には「バイ」と入っており、漢字でも「利休梅」と書くのでウメのような花が咲いたり実がなるようなイメージがありますが、実際はそれほど種族的にも近くはありません。
 花の形状を見ると、5つの花弁が放射状に均等に咲いているのがわかります。
 このように1つの花に対称軸が3つ以上ある咲き方をする花を「放射相称花」とよびます。
 その代表的なものがウメであり、同じ咲き方のものに「バイ」などといった呼び名がつけられる事がある、ということなのです。
 理科部の副顧問であり、英語教師でもあり、そして樹木医でもある高橋瑞貴先生いわく、この花は咲きかけの状態が一番美しいそうで、早くも次の春が楽しみになりました。

▽リキュウバイ

 イチョウの若葉も見られました。
 イチョウといえば扇のような形の葉を想像しますが、こうして近くで見てみると生えたての葉は少しくるりとしているのがわかります。
 裸子植物なので華やかな花が咲くことはありませんが、青々しい小さな葉を出しているのは、とても可愛いらしいですね。
 
 ▽イチョウ

 最後に、道端でよく見かけるあのオレンジ色の花についても調べてみました。
 長めの茎の先に4枚のふっくらとした花弁をつける、凛とした佇まいの花を咲かせるこの植物は、「ナガミヒナゲシ」というケシ科の一年草だそうです。長い実を実らせるので、「ナガミヒナゲシ」です。
 ヨーロッパ原産で、凄まじい繁殖力を持つので危険視されることもありますが、鮮やかで温かい色のこの花が道端に咲いているのを見ると、少し心安らぐ気もします。

▽ナガミヒナゲシ

 いかがでしたでしょうか。
 今回は理科部として植物を紹介しましたが、他にも身近に季節を感じられるものは、沢山あります。
 食べ物、気候、動物など、皆さんも自分なりに「春」を感じていただけたら良いなと思います。

(文・写真:中2TUNAGU)