理事長室から(7月その2)

更新日:2023年07月25日

遅くなりましたが、終業式にお話しした本のリストです。

時間に余裕のある人はぜひ読んでください。余裕のない人は余裕を作って読んでください。

人の考えは持っている言葉の範囲にとどまります。読書はみんなの底力を作ります。

1:テムズとともに

作者:徳仁親王

今上陛下が若い頃イギリスに留学していた頃の話です。現在ベストセラーの一冊になっています。オックスフォードの寮での生活が生き生きと描かれています。

2:私は負けない

作者:村木厚子

「凛の会」という偽の障害者団体が郵便料金の不正をしていました。当時厚生労働省に勤めていた作者は共犯だと疑われ逮捕されます。濡れ衣だと分かるまでの454日を戦い抜いた記録です。

 他人から、「お前はこんなことをした」と言われると「していません」と言っても何度も何度も言われると「もしかしたらしたかもしれない」と、洗脳される人が多いのです。作者は幸いメモ魔だったので、考えが揺るぎませんでした。

3:イーロン・マスクの企業と経営

作者:桑原晃弥・ちゃぼ

イーロン・マスクは人類の火星移住という壮大な計画を持っています。マスク氏の企業と経営はまるで冒険家のようです。マンガもはいった親しみやすい本です。

人類が生き残るために火星への移住を考えているマスク氏は、すべてそれに向かって計画を進めています。おとぎ話のようですが、彼は本気です。

4:命のビザを有難う

作者:杉原幸子・杉原弘樹

第二次世界大戦時、リトアニアの日本領事館の領事代理だった杉原千畝が、迫害されたユダヤ人を救うため、日本を通過できるビザを発行します。6000人のユダヤ人を救った話。

杉原千畝については研究書も出ています。杉原千畝についてもっと知りたい人はそれも読むといいでしょう。

5:岩倉使節団「欧米回覧実記」

作者:田中彰

明治4年から6年にかけて日本のトップが2年間も欧米を視察して回りました。その時の使節団の見聞録です。日本はこの旅行で学んだことを使って以後の諸問題に対応しました。

鎖国を解かれたばかりなのに当時の世界情勢を正確に把握し、植民地にしなかった明治時代のトップたち。しかしその日常は案外子供っぽく印象が変わります。

6:君たちはどう生きるか

作者:吉野源三郎

戦前に書かれた難しそうな題名の本ですが、読みやすい文体と内容です。主人公はコペル君という15歳の少年です。失敗をしながらも自分の存在について考え精神的に成長していく様子を描いたものです。

宮崎駿の同名のアニメとは全く違うストーリーです。コペル君と言うのはコペルニクスを省略したあだ名です。コペル君は叔父さんと一緒に自分の存在について考えます。