学校案内
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小児科医の山口有紗さんが助けを求めるプロセスが単純ではないことを紹介しています。
①自分のしんどさに気づく
②助けが必要であると判断する
③相談する人を思いつく
④助けを求めようと決断する
⑤自分の想いを言語化する
⑥相手から差し出された助けを受けとめ咀嚼する
このプロセスの中でどれか一つでも欠けてしまうと援助が得られません。
自分のしんどさに気がつくためには、自分の状況をある程度客観視する必要があります。また人によっては自分がしんどいことを認めたくない、認めてしまえば自分が崩れ去ってしまうような気持ちになることがあります。助けが必要であっても、助けを求めること自体を「誰かに迷惑をかけたくない」と恥じるような気持ちになることもあります。そもそも身近に相談できる人がいれば、そもそも困ったような状況にはなっていないかもしれません。
またせっかく勇気を出して、上記のようなプロセスをひとつひとつ自分で考えて行動しても、それを「なんでもっと早くいってくれなかったの?」「努力がたりない」「がんばりなさい」「なまけているだけだよ」「気の持ちようだ」などと返してしまえば、もう助けを求めようとはしなくなるかもしれません。
助けを求めるということは私たちが考える以上に大変で困難なことです。
山口さんは、「信じられる身近な友人や大人に「ただ聴いてほしい」というニーズがある」と述べています。
よくありがちなのは、助けを求めた人に解決策を提示してしまうことです。
問題に対する解決策を提示してしまうのは、話を聞くことに耐えられなくなって、早く解決してしまいたいという大人の都合だとも言えます。またそれは話を聞く側の解決策であって、話をした側の人が考えたものではありません。助けを求めた人にとっては押し付けられたように感じるかもしれません。
まずは「助けを求めた」ということは、上記のような複雑なプロセスを経ることできたということなので、まずはそれを認めて、「よく話してくれたね。」と受け止めることが大切です。そしてまずは最初から最後まで助けを求めてきた人の「話を聴く」ことが大切です。