部活動について2(コラム)

更新日:2023年03月17日

日本バスケットボール協会のコーチライセンスを更新する際には以下のリンク先の動画を視聴することが義務づけられています。

https://vimeo.com/803831554/f611cb8036(ブラウザのアドレス欄にコピー&ペーストしてご覧ください。)

また以下のような項目を守ることがコーチライセンス更新の条件となっています。

<遵守義務>
コーチは、次の事項を遵守しなければならない。 
(1)法令およびJBAの各種規程・規則を遵守すること。
(2)選手個々の権利、尊厳および価値を尊重し、差別することなく平等に取り扱うこと。 
(3)選手の福利および安全を最優先で扱うこと。 
(4)選手との相互の信頼を築き敬意をもって接すること。 
(5)選手が自分自身の行動に責任を持つよう指導すること。 
(6)自らが指導し推奨する行動が、選手の年齢、成熟度、経験および能力に適合していること。 
(7)暴力・暴言を用いての指導を行わないこと。 
(8)暴力・暴言を決して許容しないこと。 
(9)暴力根絶の努力を継続すること。 
(10)暴力団など反社会的勢力とは一切関係をもたないこと。 
(11)暴力団など反社会的勢力との取引およびあらゆる不当要求を拒否すること。

動画視聴研修の義務化は今年度から始まりました。バスケットボール界において暴力・暴言が依然として存在していることを重く受け止めた結果のひとつだと思います。

暴力や暴言を止めるために、暴力・暴言に対抗する概念として「インテグリティ」というものについて動画内で紹介しています。

「インテグリティ」とは「高潔さや品位」のことです。

コーチが選手をリスペクトすると
①コーチとプレーヤーの関係が良好になる
②プレーヤー同士の関係性も良好になる
③プレーヤーの反社会的行動が抑止される
④パフォーマンスが向上する
ということが研究により証明されていることを紹介しています。

スポーツ界では勝利至上主義がしばしば見られますが、それは「指導者が勝ちたい」「選手が指導者に依存的になる」「指導者が解決した勝利」「選手の課題を指導者が解決してしまう」などの弊害があります。一方で指導者が選手任せにしてしまうと「放任」「指導者の責任逃れ」となってしまいます。

「勝ち」か「負け」かの極端な二者択一ではなく、指導者が、勝利と育成のバランスの取れたコーチングを目指すことで、モラルのある行動につながり、長期的な視点から選手が勝敗から学ぶ姿勢が育ちます。

日本バスケットボール協会のコーチング指針は以下の通りです。

①バスケが好き
②バスケを楽しめる
③バスケに誇りを持てる
④フェアプレーを心がける
⑤バスケに関わる人全てを尊重できる
⑥主体的にバスケに取り組める
⑦困難を乗り越え挑戦できる
⑧自分と他者を理解しようとする
⑨バスケを通して人生を豊かにできる

大手前丸亀中学・高等学校の「建学の精神」の中に「品位ある人格の陶冶」という言葉があります。動画の中で「インテグリティ」とは「高潔さ・品位」という意味だと紹介がありました。大手前丸亀の理念とバスケットボールの「インテグリティ」は通じるところがあるかもしれません。

部活動を通して「インテグリティ」を身につけることが、部活動の目的のひとつだと言えます。