学校案内
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心理的安全性とは、「psychological safety」の訳語で、「組織・チームの中で、対人リスクを恐れずに、思っていることを気兼ねなく話し合える状態のこと」です。
この心理的安全性は、ビジネス界でその重要性が注目されていますが、もちろん教育界においても重要です。
「主体的・対話的で深い学習」をするためには、心理的安全性が大前提となります。
また心理学の世界では、「安全基地」という考え方があって、心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した人間の愛着行動に関する概念です。子どもは親との信頼関係によって育まれる「安心できる場所」「帰って来られる場所」があるからこそ、外の世界を探索でき、いろいろなことが挑戦できるようになるという考え方です。
上記の概念は、子どもと親の信頼関係について言及していますが、学校においては、生徒同士、生徒と教員、教員同士、教員と保護者との信頼関係があって教育が成立します。
九州大学大学院教授の山口裕幸さんが監修をしている「リーダーのための心理的安全性ガイドブック」によれば、心理的安全性がある組織は、ミスや不正が起こりにくく、目標達成のために
①コミュニケーション
②相互協力
③目標共有とフィードバック
上記3点が実行されるようになり、それが「チーム学習」につながり、チームのパフォーマンスを向上させるそうです。
この心理的安全性でよく誤解されるのが、心理的安全性を「仲良し」「アットホーム」と捉え、「メンバーの意見をなんでも受け入れる」「集団の空気を読んで迎合すること」だと捉えられてしまうことです。
しかし心理的安全性とは、「良いものは良い」「悪いものは悪い」と自らの考えを率直に述べることが許されるだけに、時に厳しいものであると言えます。もちろんチームに所属している人は、自分の考えを率直に述べるといっても、不平不満などは論外で、チームの目標を達成するために客観的で合理的な意見を述べることが許されている、ということです。
山口さんの著書では、心理的安全性を高めるためには、以下の4点が重要だと述べられています。
①透明性
不確実で不透明なことに対しては人は恐れを感じるもので、できる限り情報の透明性を高くして発言に対する不安を低減する。
②尊重
チームのメンバーを価値あるもの、尊いものとして大切に扱うこと。
③主体性
自分で決めたい、自分で実行したい、自分でコントロールしたいという気持ちがあると目的意識が高まる。
④公平性
人は不公平に扱われると、嫌気がさすだけでなく、仕事の手を抜いたり、別のタスクを行ったりするようになる。発言の公平性・平等性だけでなく、機会や評価についても公平に行うことが重要。
<まとめ>
心理的安全性があると、①コミュニケーション②相互協力③目標共有とフィードバックが行われるようになり、チーム学習につながり、さらにチームのパフォーマンスを向上させる。
心理的安全性を高めるためには、①透明性②尊重③主体性④公平性を重視する。