主体的・対話的で深い学び(コラム)

更新日:2023年03月11日

学校では「主体的・対話的で深い学び」をすることが社会から求められています。

「主体的・対話的で深い学び」について考えるため、あえてこの対極にある「怒り」について考えてみたいと思います。

「怒り」からもたらされるのは、攻撃であり、他者を否定し傷つけることです。

戸田久美さんの著書「アンガーマネジメント」によれば、

①怒りは周囲に伝染する
②怒りは強い者から弱い者へ連鎖する
③怒りは矛先を固定できない(八つ当たり)
④怒りは他者だけでなく自分自身も傷つける

などの特徴があるそうです。

さらに怒りがコントロールできないと、「いじめ」や「ハラスメント」につながってしまいます。
「いじめ」や「ハラスメント」に「対話」や「学び」は存在しません。
そのため「アンガーマネジメント」は重要です。

「怒り」をマネジメントするためどうすればいいのでしょうか。

そのための第一歩目は、「なぜ怒りが生まれるのか?」ということを考えることです。

怒りは「自分が持っている信念(〜であるべきという考え)が思い通りにならないときに生じる」そうです。

また怒りは二次感情と呼ばれており、怒りの背景には「不安・心配・困惑・落胆・悲しみ・虚しさ・・・」などのネガティブな感情が一次感情としてあるそうです。

つまり自分の思い通りにならなかったときの「不安・心配・落胆など」を相手を攻撃することによって解消しようとして「怒る」のだということです。

ここからわかることは、
①自分が「〜であるべき」と思っていることが相手にとって「〜であるべき」ではないことを知ること。そして本当に自分の考えが正しいものなのかどうかを点検することが大切です。

一方的に自分の主張を押し付ける=怒り、であるならば、怒りの反対は、まずは最後まで相手の話を聴いて受け止めることです。

②怒りの原因となっている一次感情に目を向ける必要もあります。本当は「不安・困惑・落胆・悲しみ・虚しさ」などを抱えていることを相手のせいにして誤魔化すために怒っていますが、「不安・困惑・落胆・・・」などの感情の原因となっているものを取り除かない限りは、怒りは解消されません。

怒っている人に近づく人はいないので、怒っている人はどんどん孤独になります。孤独になるとやはり不安が増してきます。不安であることを見抜かれたくないので、さらに怒って、自分を大切に扱え!と相手を威圧します。悪循環ですね。

さて、「主体的・対話的で深い学び」とはどういうことなのでしょうか?

①自分が正しいと信じ込んでいることを一度疑ってみる

②最後まで相手の話を否定せずに聴いてみる

③不安・心配・落胆しているといった気持ちを素直に相手に伝えてみて協力を求める