学ぶ=まねぶ(コラム)

更新日:2023年03月10日

古語では「学ぶ」を「まねぶ」と読みます。まねぶ=名詞「まね」に動詞をつくる接尾語「ぶ」がついたものです。

つまり「まねぶ」とは「まねる」(模倣する)という意味です。

物事を「まなぶ」ためには、まずは模倣が出発点になるということが昔から経験的にわかっていたのだと思います。

今井むつみさんの「学びとは何か」という著書には、「楽器の演奏にしろ、スポーツにしろ、それ以外のスキルにしろ、ほとんどの場合、私たちは誰か(多くは先生やコーチ)がそれをしているのを見て、それを真似てやってみることから始める。」と書かれています。さらに「他者の行為を分析し、解釈し、心の中でその動きをなぞり、それを実際に自分の身体を使って繰り返すことが、人を模倣して学ぶときには、なくてはならないことなのである。これは運動に限らない。言語の習得も同じだ。」や、「自分が実際に身体を動かして習得しなければ、何千回、何万回観察していても、熟達者と同じような脳の働き方はするようにならないということだ。」と書かれています。

ただ授業を見て聞いているだけでは学習したことにはならず、お手本となる先生の行動を自分で分析し、解釈し、そして実際に何度も何度も身体を使って初めて学習が成立することが書かれています。

例えば、古文や漢文を学習するうえで、まず基本となるのは「音読」です。何度も繰り返し声に出して読むうちに、暗唱(身体で覚えること)ができるようになると、少しずつ意味がわかるようになります。何度も音読しないと暗唱できませんし、はじめは意味がよくわからないので我慢が必要です。しかしその我慢を乗り越えると、意味がわかるようになって面白くなってきます。

英語も同じだと思います。スポーツも何度も体で反復することで、基本となる動作を身に付けることができます。

学習のプロセスはどれも同じプロセスをたどります。

何かに挑戦したい、何かができるようになりたい、と思う人は、しっかり「まねぶ」ことが大事ですね。

<まとめ>

学ぶ=まねぶ=お手本となる先生の行動を自分で分析して、解釈し、そして実際に何度も何度も身体を使って繰り返すこと。