いじめ予防その2

更新日:2022年10月20日

前回の記事「いじめ予防その1」をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

前回「シンキングエラー」と「アンバランスパワー」の二つがそろったときに「いじめ」が深刻化することを説明しました。

「シンキングエラー」とは、「共感性のなさに基づく間違った考え」のことでした。

また「アンバランスパワー」は、「被害者は加害者にやり返すことができない。被害者は本人の責任ではなく、助けを求めることができない状況に陥っている」ということでした。

「シンキングエラー」と「アンバランスパワー」の二つがそろうということは、加害者は、自分がやっている行為が「いじめ」であると認識できず、また被害者は助けを求めることができないため、いじめがエスカレートして深刻化するということでした。

今回の記事では、「シンキングエラー」についてさらに説明をしていきます。

和久田氏の著書によれば、いじめの加害者は「間違った考え」によって自分の行為を正当化するそうです。

①責任の否定、②加害の否定、③被害者の否定、④非難者への非難などによって正当化します。

具体的に言うと「仕方なくやった」「原因は相手にある」「遊んでただけ」「相手も楽しそうにしていた」など、人の気持ちを考えずに、自分勝手な考え方で正当化します。

そのため、いじめの加害行為を止めるように指導することももちろん重要になりますが、行為そのものの原因となっている「間違った考え」を修正するような指導がさらに重要となります。

「間違った考え方」は、どこからきたのかというと、「共感性のなさ」からでした。そこで「人の気持ちを考える」ということを具体的にひとつひとつ分かるように生徒と教員が一緒に考えていくことが大事になります。

これは特殊な状況ではなく、中学1年生くらいだと、自分の思っていること、自分のしている行動の原因を的確な言葉で表現することはなかなか難しいものです。そのためすべての生徒を対象として、ことあるごとに教員とともに自分の思っていること、自分の行動の原因を言葉にして適切に表現することが必要となります。それがひいては「いじめ予防」へとつながっていきます。

(次回は「アンバランスパワー」について説明します。)