学校案内
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前回の記事(体験談から紹介する、英語学習のポイント)を読む方はこちらをクリックしてください。
前回、「より具体的に、英語(外国語)習得には何が必要なのか 」を紹介していくと述べました。
今回は「音読」についてのお話です。「音読」には、大きな学習効果があります。
では、なぜ音読が英語学習において必要とされるのでしょうか?分かりやすい例から考えてみましょう。
目次
1,この単語、英語らしく読めますか?
2,日本語と英語の発音は「全く」違う!
3,英語学習で苦戦しているのは、あなただけではない
4,英語話者も、練習してやっと音読できるようになる
5,それでも、できるようになりたい!
次にあげる英単語は、皆さんよくご存じのハンバーガーショップの店名です。このような話の際によく例に出されるのですが、あなたはどのように読みますか。
Macdonald’s
「マクドナルド」、そうですね。少し英語を勉強していれば、「’sがあるからマクドナルドズだ!」と言うかもしれません。しかし残念ながら、おそらくどちらの発音でも、英語を話す人たちから「英語らしい」とは思われないでしょう。
ここでみなさんに認識してもらいたいのは、「日本語と英語の発音は全く違う」ということです。
なかでも日本人を戸惑わせるのは、母音と子音のくっつき方です。
どういうことか、説明します。まず、日本語では子音の後には必ず母音がくっついてきます。ですので、先ほどのMacdonald’sは、「マ(m+a)」「ク(k+u)」「ド(d+o)」「ナ(n+a)」「ル(r+u)」「ド(d+o)」と、日本語読みでは6つの音のかたまりで発音します。
しかし、英語では、子音の後には母音がくっついてくるとは限りません。Macdonald’sは、英語では、簡単に言えば「マk」「ダ~」「ナ」と3つのかたまりで発音します。
信じられないという場合は、試しに、皆さんの知っている英単語に、全て母音を付けるつもりで発音してみてください。pencilは「ペンシル(penshiru)」、bagは「バッグ(baggu)」。ほら途端に、日本語っぽい、いわゆるカタカナ発音に変わり果ててしまいます。
ここまでは、あくまで発音の話でした。しかし、文法など、その他の観点から見ても同じことが言えます。
英語と日本語は「言語間距離(異なる言語同士に、どれだけ共通点があるか)」が、最も離れている類の言語同士であるということが、数多くの研究結果によって示されているのです。
つまり、毎日付き合っている「日本語さん」とは全く違う、まさに異世界人の「Englishサン」とのなじみにくさは、なにもあなただけが特別に感じているわけではないのです。あなたが「できない」のとは違うのです。
また、英語の「つづりと発音の不一致」については、英語を母語とする人であっても、大いに苦労しています。
ある研究では、ヨーロッパ諸語(英語も含む、ヨーロッパに由来する言語のこと)を母国語とする小学生が、見たことのない「疑似単語(英語に本当には存在しないけれども、規則に従えば読み方が推測できる人工単語)」を、正確に音読できる割合を調べています。
その結果、小学校1年生では5割、つまり提示された疑似単語の半分しか、正確に読むことができない場合が多かったそうです。そして、小学校4年生になってやっと、正しく読める単語の割合が80%を超える、という結果が出ています。これを見ても、英語、あるいは英語と関わりの深い言語を母語とする子供たちも、英語の音読には苦労していることが分かります。
では、この困難を解決するためには、何から始めればよいのでしょうか。
スタートラインは、文字で書かれた言葉(文字言語)と、音として聞こえてくる言葉(音声言語)を、結び付け、一致させていくことです。要するに、目では”Macdonald’s”という文字を見つつ、口では「マkダ~ナ」と発音できるようになることです。
そのために、もう皆さんお分かりのことと思いますが、「文字を見ながら声に出して発音する」ということを意識して、音読をすること、そして何度も繰り返して取り組むことが必要です。先述したとおり、英語の音読は、英語を母語とする人たちでさえ練習が必要なのです。ならば、英語を外国語として学ぶ私たちにとっては、音読トレーニングは不可欠であり、かつ、回数を意識して多めに取らなければならないことも、納得してもらえるかと思います。
次回からは、より科学的に、外国語学習のポイントをご紹介します。具体的な音読方法も最後には紹介しますので、ぜひご覧ください。