学校案内
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勉強に関するコラムを今後アップする頻度を上げていきます。在校生のみなさん、是非参考にしてみてください。
*目次*
1,小学校で流れていた洋楽との出会い
2,中学生になって発見したこと
3,この体験から分かった、英語学習のポイント
4,最近話題の新書でも…
私(本校英語科教員)は歌の好きな子どもでした。小学校の頃、下校時間になると、学校のスピーカーから美しい歌が毎日流れていました。私は歌いたくなるのですが、サビの「シャラララ」しか自信がありません。「エーリーシャラララー」と聞こえてくるのですが、よくわからないのです。親に尋ねると、「あれはThe Carpentersの”Yesterday Once More”や」と教えてくれました。そして「聴いてみたら?」と、家にあったThe CarpentersのベストCDを手渡されました。もちろん聴いてみたのですが、やっぱり歌詞は読めないし、ましてや一緒に歌うなど不可能でした。
中学校1年生になり、英語の授業が始まった後、私はもう一度そのCDに手を伸ばしました。ちなみに中学校では、朝礼5分前は「ライラライ」の歌(Simon & Garfunkelの”The Boxer”)、清掃時には「ダーリンダーリン」の歌(Ben E. Kingの”Stand by Me”)が流れていました。(いま思えば、ちょっとしゃれている学校だったと思います。)
久しぶりに”Yesterday Once More”を聴いた私は、驚きました。サビの部分、今まで「エーリー」と聞こえていた部分が、”Every”と聞こえたのです。他の単語も、聞き取れるものがありました。英語の授業で教わった単語でした。「これなら歌えるかもしれない」と思った私は、歌詞カードにかじりついて、ベストCDに入っていた曲を毎日繰り返し歌いました。そうすると、中学校で流れていた2曲でも聞き取れる単語が倍増していき、歌いながら意味が分かるところも増えていきました。
ここまでの私の体験に、英語学習のポイントがあります。
①身体を用いると力が付く
②知っている単語の数が増えると、聞き取れる単語も増える
③真似して音読し続けると、短期間でさらに上達する
①に関しては、実はみなさんも、日々、口で話し、目で読み、手で書き、耳で聞いて、日本語を習得してきたのです。10何年と生きて、やっと今のように日本語が話せる。外国語である英語ならばなおさら、それよりも倍、身体をつかわなければ、短期間での上達は望めません。
②については、案外見落とされがちなことかもしれません。「英語を聞いても分からない」という人の多くが、実は「知らない単語が多いから聞き取れない」だけだということがよくあります。
ですが、知っているだけでは記憶にも残りませんし、いつでも聞き取れるとは限りません。そのために、③「真似をして音読」という方法を取ることが、もっとも効果的な近道となります。
昨年、書店やSNSを中心に話題となった『バッチリ身につく 英語の学び方』(←中高生向けに書かれているので、ぜひ興味があれば手に取って読んでみてください。特に中3~高校生!。タイトルをクリックするとその本のサイトに移動します。)で、著者の倉林秀男教授も、
私たちは新しい情報を「インプット」しただけでは、どんどん忘れていきます。インテイクされた情報はアウトプット(出力)して、誤りに気づいて修正をし、新たな情報と結びつけて整理し、統合していくことで「血肉化」されていきます。問題を解いて解説を読んで答え合わせをして、正解、不正解に一喜一憂して、それでおしまいにするのでは学習の成果が期待できません。しっかり「定着」させるためのステップを踏まなければならないのです。
(倉林秀男『バッチリ身につく 英語の学び方』ちくまプリマ―新書)
と言っています。では、より具体的に、英語(外国語)習得には何が必要なのでしょうか。『「定着」させるためのステップ』として、科学的に推奨できる方法はあるのでしょうか。次回以降も、紹介していきます。